こんにちは。ともぴぃです。
すだちとレモンとゆずと。
キッチンに柑橘があふれる一日は、香りがもう、しあわせ〜♡。
黒い皮のすだちを前にして「さて、これはどうしよう?」と立ち止まったところから、気づけば、発酵の話、検索の話、失敗の話、そして人生の話までつながっていく。ひとつひとつは点だけど、線でつながった途端に世界が広がる。そんなことを考えながら過ごす時間が私はとても好きです。
今日はキッチンラボでの小さな実験の記録を、そっと残しておこうと思います。
黒くなってる黄色のすだちの皮は使えるのか?
先日、黄色く色づいたすだちをいただきました。
実家の庭で長年育っている木からの収穫だそうで、なんだか感慨深いですよね。

私にとって、すだちは「緑」というイメージが強かったので、こんなきれいな黄色のすだちを見るのは初めて。ありがたさのほうが先にこみ上げてきます。
ただ……黒い斑点が気になる。
「皮は汚いけど果汁絞って使って!」とは言われたものの、
できることなら丸ごといただきたい。となると気になるのは、やっぱりあの黒さ。
なんでこんな色になったんだろう?
病氣?気温?虫?
と、いつものクセで疑問がムクムク。
検索してみると、“すす病” や “サビダニ” という言葉がずらり。
そしてその多くは
「中身は大丈夫だけど、皮は使わないほうがいい」
といった感じで書かれていました。
そっか、やっぱりだめなのかなぁ。
そう思いかけたところで、チャッピィ(ChatGPT)にも写真つきで質問してみたんです。といっても、多分検索と同じ答えが返ってくるんだろうなと思ってたんですけど…(ごめん!)
ところが、返ってきたのは予想外の答えでした。
「サビダニ由来の変色+軽いすす病が混ざっている感じ。でもこれは食べられるよ。皮ごと使っていい。」
えっ、そんなはっきり?!
ネットでは見つけられなかった「大丈夫」が、目の前にスッと差し出された感覚。驚きつつ理由を聞いてみると、さらに驚く返事がありました。
「私はどこかの記事を引用したわけじゃないよ。
農業、無農薬栽培、病害虫、食品保存、発酵…いろんな分野の断片的な知識を組み合わせて判断してるだけ。」
えーーーーー!!
これって、本来人の暮らしに必要な“判断力”そのものじゃない?ひゃー。
検索結果だけを眺めていたら、絶対にたどり着けなかった視点。不安を避けるための情報ばかり見ていたら、一生「大丈夫」は見つからないのかもしれない。
大事なのは、
集めた知識を組み合わせる力。
そして、自分の直感もちゃんと扱うこと。
今日はそれを、すだちしごとから学んだ気がします。
皮を下処理して使ってみることに
チャッピィは「大丈夫」と言うだけでなく、食べないほうがいい場合の判断や、皮ごと使うときの下処理まで教えてくれたので、今回はそれにならってみることにしました。せっかくだしね。
下処理の方法は簡単!
- 重曹 or 塩でやさしくこすり洗い
- 流水でしっかりすすぐ
- ボウルに入れて熱湯をサッとかける(5〜10秒)
- 水切りして軽く冷ます
これで
・サビダニ由来の汚れ
・すす病の菌
・表面の土汚れ
がしっかり落ちて、
「皮も安心・香りも残る・中身は生のまま」という理想の状態に。ふむふむ。
私は食品グレードの重曹で軽くこすり洗いしました。流した水が思った以上に黒くてびっくり。そのあと熱湯を回しかけて、冷水にダイブ。

こころなしか黒さが少し和らいだようにも感じました。
心なしかツヤツヤしてる(笑)。うん、いい感じじゃないでしょうか。
発酵シロップ、チャレンジ!
では、ここからは下ごしらえを!!
…といっても作るものによって切り方も変わってきます。
塩すだちにするか、シロップにするか…。
夫婦ともども柑橘のジャムやティーが大好きなので、今回はシロップをセレクトしました。
でね、またここでふと思ったんです。
そうだ、単なるシロップじゃなくて酵素シロップにしよう!と。
発酵させておけば、皮の心配事がさらにクリアされるような気がしたからなんですけどね。
酵素シロップとは、いわゆる発酵ドリンクのこと。
季節の果物やハーブをお砂糖につけ込んで作ります。出来上がるまで約1〜2週間。毎日ゆすったり手でかき混ぜたりしながら瓶の中で泡が出て発酵していく様子を楽しむのです。
この育っていく過程を待つ時間がまたいい。
そろそろかな、まだかな。なんて思いながらね。フフ。こういうモノを仕込んでおくと、毎日が一層楽しくなります。
すだち、カットしたらやっぱり綺麗。
そしてこの段階で緑のすだちとは全然違うこともわかります。香りがやわらかい!

たまらず一切れ食べてみたんですが(笑)、思った通りのやさしい酸味。
緑のすだちはキレのある酸っぱさって感じですが、これはまろやか。別物みたいです。おいしい。
じーっと黄色くなるまで木で温存されていた彼ら。
黄色のすだちって、熟成されたご褒美みたいですね。
これまた作り方は簡単!
すだちと同じだけの砂糖を準備します。

砂糖、すだち、砂糖、すだち…と順番に重ねていき、最後を砂糖でフタをするだけ。ね、簡単!
一般的に、酵素シロップには白砂糖を使うのが良いとされています。
でも私は普段白砂糖を使う選択をしていません。そのため、酵素シロップ作りでも使ってるのはてんさい糖です。
てんさい糖も色が濃いものから薄いものまでいろいろありますが、これは精製度の差。それぞれに良さはあるのだと思います。
黄色のすだちに使ったてんさい糖は粒が大きめで濃いタイプ。

黒糖ほどのクセや強さはないですが、ミネラル多めでちょっとコクがあると思います。
一方、翌日に白いタイプを手に入れて、同様にレモンでも酵素シロップを作りましたが、こちらはスッキリとしたより優しい味わいのてんさい糖。色味もやわらか。

実は、近くのスーパーには黒っぽいタイプしか売ってないため、昨日すだちは取り急ぎそれで作ったという裏事情ががるんですがw、溶けるとホントに黒くなります(笑)。

これもう、いっそのことシナモン、カルダモン、クローブ辺りを入れたらクラフトコーラみたいになるんじゃなかろうか。それはそれでおいしそうですけどね!!
レモンも明日になれば、もう少し溶けてるんじゃないかなーと思います。どちらも変化が楽しみですね。
それにしてもたった1日でここまで溶けちゃうってすごいな。良い感じで発酵が進んでくれますように。
砂糖が多すぎても少なすぎてもだめ
ここでひとつコツを。
酵素シロップを作るときは、砂糖が多すぎても少なすぎてもダメ。果実:砂糖=1:1 がいちばん発酵しやすい黄金比なんですよね。
砂糖が少なすぎると…
発酵は「微生物が砂糖を食べて増える」ことで始まります。
でも砂糖が少なすぎると、
- 微生物のエネルギーが不足する
- 発酵よりも腐敗のリスクが高まる
という、“ちょっと心配な方向”になりがちです。
香りが変だったり、濁りが強かったりしたら要注意。
砂糖が多すぎると…
逆に、砂糖が多すぎると今度は、
- 浸透圧が高くなりすぎて微生物が動けなくなる
- ずっと砂糖漬けのまま発酵が進まない
という“元気を出しにくい環境”に。
つまり!!
砂糖と果実のバランスはとても大事だったりします。
実はね、
この「砂糖が多すぎて発酵しなかった」経験、私も最近やってしまったんですよ。
どうせテキトーにやったんでしょ?
いや、量るのは量ったんよ…ただ最初に 😅
ゆずの重さを量って、同量のてんさい糖を準備。
でも、ゆずって種が多いじゃないですか。カットしているうちに種を取り出しまくり、汁もこぼれ……。
恐らくかなりグラムが減ったんだと思われます🤣
でも量り直さなかった!!!←これが失敗。
結果は……
当然ながら、ぜんっぜん発酵しない(笑)。
待っても待っても泡がでてこず…。おーいっ!!!
まぁ、単なる発酵していないゆずシロップが出来ただけなので味はおいしいし問題なし。ただ、ちょうどジャムが切れていたので、そのままサクッと ジャムにリメイク しました。


砂糖漬けゆずの“思わぬ発見”
それとね、ひとつ発見が。
通常、柑橘でマーマレードを作るときは
苦味をとるために何度もゆでこぼしをしますよね。
でも…
砂糖漬けして1週間以上経ったゆずは、
刻むだけで苦味ゼロ!!!
ゆでこぼし不要。
皮を切るときにまな板はべっちゃべちゃになりましたが(笑)、この「想定外の正解」は、台所の醍醐味だなと思いました。
こういう“失敗から新しい道が生まれる”瞬間がほんとうに楽しいです。
おまけ:すだちの種は、未来の物語
カットしたすだちにはたくさんの種が。
「これって育つのかな」と思ってチャッピィに聞いてみたら、“もちろん育つよ”との返事。
やっぱりね!背中押してくれてありがとう。
せっかくだし、
今回いちばん熟しておいしそうだった子から、ふっくらした種を3つだけセレクト。ポットにそっと植えました。


出てきたら大喜び(報告しますw)
出てこなかったら「今年はシャイガイだったねぇ」と笑えばいい。
どっちでもいい。
ただ、やってみたかったからやった。それだけ。
もちろん芽が出たらうれしいけれど、
芽が出なくても失敗じゃない。
今日という一日の延長線に、
未来へのちいさな種が転がっていく。
それがなんだか、とても自由で豊かだなぁと思うのです。
柑橘の香りに包まれた今日という一日が
こうして未来へつながっていく。
どうなのかな?と思った小さな声を
ただ、これからも拾い上げていきたい。
それが、今の私にできるいちばん素直で、いちばん楽しい暮らし方だから。
それでは、今日も心にウキウキを。


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