ペットロスにそっと寄り添う。時を共有する写真いっぱいを飾ろう。

写真ってすごいですよね。
見ているとそのときにワープしたり、今となればの気づきを得たり。音や声までリフレインすることもある。ぶわーっといろんなことが浮かんでくる魔法のランプのような不思議なアイテム。よくアルバムの整理をしていたらあっという間に夕方になっていた…なんてエピソードがあちこちで聞かれるのもきっとそういった写真のチカラなんだろうなと思います。
今、我が家にはハッピーの写真がたくさん飾られています。亡くなって割とすぐ、悲しみに暮れて何も考えられない完全なペットロス状態だった私に夫が言いだしたことから始まりました。
「ハッピーの写真をいっぱいここに飾ろう」
元々、我が家のリビングの壁には大きなコルクボードを設置して世界地図を貼っている場所がありました。この世界地図はPostcrossingで届いた絵はがきの場所にピンを刺して楽しむために貼っていたのですが、その場所を「ハッピースペース」に作り替えようというのです。
私は即答でこの提案に賛成しました。そうすれば、ふと顔をあげたらハッピーの姿を毎日見れる。リアルには叶わずとも写真ででも会える。そう思ったから。
1週間ほど経ってからPCとスマホに保存していた写真からいいなと思うものをプリントしました。あれもいいな、これもかわいいな、これはハッピーっぽいなんて見ていると思い出して胸がいっぱいになり、PCを前に泣いたり笑ったりしながらセレクト(…といいつつも結局厳選しきれず、プリントした枚数は70枚超えちゃいましたが)。彼らしさ溢れる形にしたいということもあり、たくさんの種類を組み写真にして飾ろうと思ったので、ハガキサイズを中心に特に気に入っている写真だけ数枚2Lサイズでプリントしました。
組み写真を作ることでセルフセラピーに
そして、出来上がったボードがこちらです。クオリティよりもまずはとにかく完成させるということを前提にしました。
あと、額も飾りました。
2枚の写真立てのほうは頂きものなのですが、しまいこんだままになっていたので活用させていただくことに。そしてもうひとつ気に入ったフォトフレームがあったので購入して飾りました。
飾ってみると、リビングがハッピーらしさに溢れ、何かものすごく幸せな気分に。もちろん居なくなったことには変わりないので寂しいのは寂しいですが、それでもなにかふわっと温かい空気に包まれてる…そんな感じ。
実はその気持ちは飾ってからだけじゃなく、制作中にも感じていました。たくさんプリントした写真をだーーっと無造作に並べて、これがいいかな?こっちかな?と選んでいく。この作業をしているとき、ものすごく癒やされているような気がしたのです。
その場所、その一瞬を切り取った写真。
だけど並べて行くと「時代」というゆるやかな時の流れをも感じさせてくれる。まさに点が線になる、そんな感覚。これは写真のおもしろいところのひとつかもしれません。
↑6歳:「なにか?」フレッシュにんじん食べてスパゲッティ口(笑)
↑7歳:「ふぅ〜」顔をあらってリラックス中
↑8歳:「えいやっ!」引っ越し直後 紙や段ボールと格闘
↑10歳:「ふぁぁああ」亡くなる20日前。大あくび〜
間違いなく私は、彼と10年間一緒に居れて幸せでした。そして今感じている悲しみも寂しさもすべてその10年の幸せの上にあるのです。今もこの先も、その10年間の先に続いている時間であり、すべてはつながってるのだなと。写真を見ながら幸せな時間をぎゅーっと抱きしめて、出てくる言葉はただただ「ありがとう」でした。ホントに、ホントに10年一緒に居てくれてありがとう。
生きている間のみならず、亡くなってからもこの時間の共有をできた気がしてなんだかとてもうれしかった。写真を整理することでペットロスにそっと寄り添って貰った感じ。とても優しい穏やかな気持ちをに包まれました。
ゆっくりと次の一歩を踏み出せた気がしています。セラピー的な役割も果たしてくれるのかな。「何か」に癒やされることももちろんありがたいのですが、こうして誰にも邪魔されることなく、自分と彼との時間をゆっくり味わうこともいいですね。流れをしっかりと感じてから今度は自分の心を「イマココ」に集中させる。そうすることで視界が開けていく感覚になる。やっぱり、自分の心は自分自身が一番癒やせるのかもしれません。
家族で過ごした空気感ごと残せた幸せ
今回の組み写真にはハッピー単独の写真にいくつかの家族写真を織り込みました。家族写真や特に私が写ってるものはすべてプロカメラマンに依頼して撮っていただいたものです。もちろん、ハッピーだけの写真も撮っていただきました。
↑家族写真。みんなの表情が好きな一枚。
元々、夫は写真を率先して撮ろうというタイプの人ではないので(お願いしたら撮ってくれますが)、それまでハッピーとの写真はスマホの自撮りがメインでした。
↑こんなのとかね(笑)。
まぁこれはこれでいいけど、ナチュラルではない(当然…笑)。
撮っていただくとやっぱり普段通りにしてる様子が残せるのがいいですね。家族でいるときの自然な「空気感」というか。撮って頂いた写真は何よりの宝物になってます。
↑超お気に入りのワンシーン。ハッピーは乾燥リンゴが大好きでよくおねだりしてました。
ちなみに、家族での写真を撮影してくださったのはペット出張撮影専門の「わんにゃんフォト」さん。フォトグラファーの中村なおみさんは、なにより動物が大好きで負担をかけないペットファーストの撮影を心がけていらっしゃる素敵な方です。
↑撮影中の様子。ハッピーファーストで撮影していただき、彼もいつも通りリラックスです。
私はかねてから一度はプロにお願いしてハッピーの写真を撮って貰いたいなと思っていたものの、スタジオ写真というよりも家族の「空気感」ごと撮ってもらえたらという思いが強かったため、なかなかお願いしたいフォトグラファーさんに広島では巡りあえませんでした。
彼女が私好みの温かい素敵な写真を撮られていることは知っていたので、いつか撮ってもらうことができたらいいなとは思っていました(わんにゃんじゃなくてうさぎだけど)。ただ、彼女のベースは東京。我が家は広島。距離の問題があり実現はなかなか難しかったのです。そうこうしているうちに9歳になってからハッピーの病気もあったりして、川崎に居る間にお願いできなかったことを強く強く後悔していました。
ですが、なんと!!
10歳を迎えた1ヶ月後の2019年12月末にこちらにいらっしゃるという奇跡がありまして。熱烈にお願いをして実現することができました(もう感謝しかない…)。ハッピーはその5ヶ月後に亡くなったので、ホントぎりぎりだったなと思います。彼自身が呼んでくれたのかもしれませんね。
写真を通して今もつながっている
「そうそう、こんな感じだったなー」と穏やかな気持ちで飾っている写真を毎日眺めています。もちろん何もなくても記憶には残っているけど、写真はその記憶を鮮明に呼び起こしてくれますね。
↑最後の一年はほぼ毎日だっこでマッサージしてました。耳を軽く触るのが好きだったな。
一緒に過ごした日々が幸せを感じさせてくれる。写真を通して今もつながっている。それは確かに一緒に過ごした証だから。ハッピーは亡くなりましたが、でも「私が感じた幸せ」をこれからも自分で守りたいと思うのです。そのためにはまずは自分が元気に過ごそう。こんなに大好きなうさぎさんと巡り会え、一緒に過ごしたんだよと伝えよう。写真を整理することでよりそう強く思えました。
ペットロスに向き合う方法は人それぞれ。そしてそれでいいと思います。写真を飾ることで悲しみが癒えるとは限らないかもしれません。だけど、写真を見ながら心でしっかりと繋がりを感じる時間は私にとっては必要な濃い時間だったと思っています。失ったのは事実だけど、でもそのことよりも確かにあったものに感謝していきたい。
これからはいつも一緒に。
私が動くことで気づいたことを心の中でシェアし続け、これからの世界をハッピーにも見せてあげたいと思っています。ありがとう、そしてこれからもよろしくね。
▶写真についてのアナザーストーリーも綴っています。よろしければこちらもぜひ。
▶ペット出張撮影専門 わんにゃんフォト さん
https://www.wan-nyan-photo.com
▶亡くなってから撮影していただいたお礼のメッセージをお送りした際のやりとりのことをブログ記事にも書いてくださっています。
ペットと一緒の写真は、ペットロスを癒やしてくれる一助になる
https://www.wan-nyan-photo.com/why-i-shoot/why-i-shoot-4.html
はぴろぐのまとめ読みはこちらから
愛うさ ハッピーさんと一緒に過ごした10年の中で感じたことや気づきをまとめています。9歳からの病気と老いとの寄り添いやペットロスのことがメインになっています。